ノンドレン式の冷房機器のデメリットは、「水が出ない」と思い込んでしまいがちなことです。
実際には、使い方や環境によって手動での排水が必要になることもあるので、この思い込みが、最大のデメリットと言えます。
ノンドレン方式は、水が出ないはず。
なのに、床に水がもれてる!?
もしも使っているスポットクーラーから水がもれてきたら、びっくりしますよね。
エアコンやスポットクーラーなどの冷媒式の冷房器は、空気を冷やすときに水(結露水)が出ます。
「ノンドレン式」という方式では、その水を手動で捨てる手間がありません。
でも!
じつは、使い方や環境によっては、手動での排水が必要になることも。
上の画像にも「配水をする必要があります」と書いてありますね。
この記事では、ノンドレン方式のデメリット(注意点)や仕組みをわかりやすく説明します。
水漏れで床が濡れた!なんてことにならないため、ぜひチェックしてみてください。
これから購入を検討している方も、すでに使っている方も、「水トラブル」を防ぐヒントにしてくださいね。
筆者は、暑さと湿気が大の苦手。
気温が28度を超えると動けなくなるタイプです。
2024年6月、初めてスポットクーラーを購入しました。
それまで夏には室温33度まで上がっていた部屋が、予想以上に快適に!
同じように「夏の暑さがつらい」と感じている人へ、
スポットクーラーの良さや選び方を紹介しています。
スポットクーラー以外にも、暑さ対策グッズや涼しく暮らすアイデアを調べています。
「夏がちょっとでもラクになるように」そんな思いで記事を書いています。
🧊 名前:小早川みつき 北海道生まれ、北海道在住。
まず知りたい!ノンドレン式スポットクーラーの仕組みとメリット
工事不要で手軽に使えるスポットクーラー。
その中でも、ノンドレン式は人気、というか主流。
現在、家庭用モデルの多くが、この方式を採用しています。
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スポットクーラーなどの冷媒式の冷房機器では、空気を冷やすときにドレン水(結露水)が発生します。
その水の処理方法は、大きく分けて2つのタイプがあります。
・ドレン式:発生したドレン水を本体タンクにためて、定期的に手動で捨てる方式
・ノンドレン式:ドレン水を本体内部で処理して、水を捨てる手間が少ない方式
ノンドレン式は、「手動で水捨て不要」で楽に使えるのが魅力。
その便利な仕組みとメリットを、次でまとめました。
仕組み|水を蒸発させて排気と一緒に外へ
スポットクーラーは、
暖かい空気を吸い込む 👉 本体内部の冷却部分で冷やす 👉 冷たい空気を出す
という仕組み。
その「本体内部の冷却部分で冷やす」ときに発生するのが「ドレン水(結露水)」。
ノンドレン方式では、そのドレン水を本体の熱で蒸発させ、空気と一緒に外へ出しています。
▼ その仕組みを簡単にまとめるとこちら。
- 空気を冷やすと、空気中の水分が水滴(ドレン水)になる
- ドレン水は、本体が発する排熱を使って蒸発(気化)
- 蒸発した水分は、暖かい空気と一緒にダクトから外へ排出
▼ これを図にすると、こんな流れです。

👆ノンドレン式はこんな感じで、水を「ためる」のではなく「蒸発・排気」で処理しています。
定期的にタンクに溜まった水を手動で捨てる「ドレン式」に比べて、手間がダントツに少ないです。
ざっくりした簡単な説明ですが。
以上が、水を捨てる手間がないノンドレン式の仕組みです。

なぜ排水口があるの?「水捨て不要」のウラ側を解説
ノンドレン式のスポットクーラーにも、ドレン水を捨てる排水口がついています。
あれ?水捨て不要のはずなのに、どうして?
と疑問に思いますよね。
ノンドレン式は、排熱を利用してドレン水を蒸発させる仕組み。
でも、梅雨時期など湿度が高すぎる環境では、水の発生量に蒸発が追いつかなくなることがあります。
そんな時のために、排水口がついています。

では、具体的にどんな時にドレン水が溜まってしまうのか。
その原因と対策は、この後で紹介しますね。
その前に、あらためて「ノンドレン式」のメリットを2つ紹介します。
メリット1|排水作業がほぼ “不要”でラクに使える
最大のメリットは、冷房中にタンクに溜まった水を捨てる必要がないこと。
だから、「タンクが満水になったら冷房を停止して水捨て…」という手間がありません。
真夏の暑い日に、突然冷房が止まってしまった!
原因は、タンクに溜まった水を捨て忘れていたから…、なんてこともありません。
連日暑い日が続く夏には、これはすごくありがたいですよね。
メリット2|連続運転OK!夜から朝まで涼しく過ごせる
排水タンクの容量を気にしなくていいので、ノンドレン式は連続運転にもぴったりです。
(※タンク式の機種は、水が満タンになり冷房が止まることがあります)
日中つけっぱなしにする場合や、夜から朝まで冷房を使いたい場合でも、水捨てのことを考えずに使えます。
・夜眠っている時に、排水タンクがいっぱいになって冷房が止まる。
・夜中にタンクの水を捨てに行く
そんな心配がないので、ゆっくり眠れます。
ノンドレンのデメリット?思い込みと「水が出る」3つの原因と対策
便利に使えるノンドレン方式の冷房機器。
そのデメリットは、「排水の必要がない」と思い込んでしまうことかもしれません。
実際は、環境によって排水が必要になる場合がある。
だけど、それを知らずに使うと、水漏れにつながることがある。
これが、一番気をつけたいポイントです。
では、
どんな時に水が発生し、排水が必要になるのか。
その主な原因は、こちらの3つです。

原因1:湿度が高い環境での使用(特に梅雨や雨の日など)
一番多い原因がこちら。
湿度が高すぎて、ノンドレン機能の能力を超えてしまう時です。

梅雨時期や雨の日や、日本のジメジメした夏は、湿度がすごく高くなりますよね。
こんな日は、スポットクーラーが取り込む水分量も急増。
そうなると、ドレン水がたくさん発生します。
そのドレン水を蒸発させる本体の能力が追いつかなくなると、水がたまってしまいます。
するとそれが排水口からでてきます。
(タンクのある機種の場合は、タンクにたまります)
その時に対策をしていないと、スポットクーラーから水が漏れてる!ということになってしまいます。
湿度が高い日は、排水口から水が出る前提で、あらかじめトレイや受け皿を用意しておくのが安心です。
また、部屋の湿度にムラがある時は、サーキュレーターで空気を循環させるのもアリ。
原因2:排熱ダクトが熱い!室温上昇の原因にも
直接的な原因ではないですが、排熱ダクトの熱もドレン水が増える原因の一つ。
それは、ダクトの熱が室温を上げる原因にもなるから。

気温の高い日にスポットクーラーを使うと、排熱ダクト自体が結構な熱を持ちます。
場合によっては、触れると「熱っ!」と思わず手を引っ込めてしまうほど。
その熱くなったダクトを放置すると、室温を高める原因にもなってしまいます。
室温があがると、スポットクーラーはさらに冷やそうとがんばって稼働します。
そうすると、ドレン水が増える原因になります。
- 室温がなかなか下がらない。
- スポットクーラーは「もっと頑張らないと!」と長時間フルパワーで運転する。
- 結果、ドレン水の発生量も増えてしまう。
少しでも室温を上げる原因をとりのぞくために、排熱ダクトの断熱がおすすめ。
あなたが使っているスポットクーラーの排熱ダクトの長さを確認して、合うものを選んでください。
\120cm用と160cm用あり/

原因3:本体の傾きやフィルターの目詰まり
「設置の傾き」や「フィルターの汚れ」も、水もれにつながることがあります。
- 本体が水平に設置されていないと、内部で結露水がうまく流れず、排水口以外から水があふれてしまうことも。
- フィルターが目詰まりを起こすと、空気の流れが悪くなり、冷却効率が落ちてドレン水が多く出る原因にもなる。
定期的な掃除や、平らな場所に置くといった、基本的なメンテナンスも大切です。
排水トラブルを防ぐ!ノンドレン式で注意したいこと3つ
ノンドレン式は、「水捨てが不要」で楽に使えるのが魅力。
でも、「絶対に水は出ない、排水は不要」と思い込んで使うと、水漏れトラブルにつながることもあります。
ノンドレン式を安心して使うために、あらかじめ気をつけておきたいポイントを、3つ紹介します。
「ノンドレン=排水は必要ない」と思い込まない
「ノンドレン=完全に水が出ない」と思われがちです。
でも、実際は「基本的には水が出にくい」という仕組みです。
湿度が高い日や、連続運転したときなど、本体が蒸発し切れなかった水分が排水として出てくることがあります。
ノンドレン式は、
間違い👉 排水がゼロ
正しくは👉 排水は少ないけど、出ることもある
そこを気をつければ、トラブルにもなりづらいです。
「水が出るかも?」に備えて、できること
「もしかしたら水が出るかも?」と考えておくだけで、トラブルはかなり防げます。
前述した「水が出る3つの原因」をチェックして、排水が出そうな時に備えておくと、安心です。
たとえば、
・本体下部の排水口にトレーやバケツなどをあらかじめセットしておく
・さらに、冷房機器の下にシートなどを敷く
・タオルなどを近くに置いておく
など。
わが家で使っているスポットクーラー MAC-3026のように、タンクがない機種では、排水口からそのまま水が出てきます。
このタイプは、水が床にこぼれないように、トレイなどを置けばOK。

排水のしかたはさまざま!説明書などでチェックしよう
使っているスポットクーラーの「排水のしかた」をしっかり確認するのも大切。
排水方法は、取扱説明書や販売ページ、公式サイトなどでチェックできます。
機種によってやり方が違うので、あなたが使うスポットクーラーがどういう方法かチェックしてみてくださいね。
たとえば
・タンクに水がたまるタイプ
・排水口からホースで出すタイプ
・排水口の下にトレイを置くタイプ 他。
メーカーや機種によって、さまざまです。
公式サイトや商品ページに、排水方法を図や画像で載せていることもあります。
説明書がネット上で見られる機種もあるので、購入前に確認しておくこともできます。
例えばこちらのスポットクーラーは、商品販売サイトに画像付きで説明がありました。
スポットクーラーの説明書だけではなく、本体にも説明が書いてあります。
筆者宅で使っているスポットクーラーMAC-3026は、本体背面の後ろに排水口と説明がありました。

上の写真の説明文:
満水ランプが点滅して停止した時は、市販の容器等を用意し排水口のゴム栓キャップを取り外して本体内に溜まったドレン水を排出してください。
排出後は必ずゴム栓キャップを取り付けてご使用ください。
機種が違っていても、同じような排水方法のものがあります。
購入予定、またはお使いの機種の排水方法はどうなっているのか、一度確認してみてください。
\筆者宅で利用中のスポットクーラー/

MAC-3026についての説明はこちら。
▶︎ スポットクーラー【ナカトミMAC-3026レビュー】涼しくて快適!
▶︎ スポットクーラー|ナカトミMAC-3026の機能と特徴を解説。MAC-25Nと比較も
まとめ|ノンドレン式は、正しく使えばやっぱり便利!
排水の手間が少ない、便利なノンドレン方式の冷房機器。
でも、「手間が少ない」だけで、完全に排水作業をしなくていいわけではありません。
上で書いたように、湿度がとても高い日や長時間連続で使うと、ノンドレン式でも排水作業が必要になることがあります。
これは、スポットクーラーだけではなく、窓用エアコンでも同じことがあります。
(※機種によるので、説明書や公式ページでチェックしておくと安心!)
排水については、「ノンドレン方式のスポットクーラーの特徴」を知っていれば、水漏れのトラブルもなく、床を濡らすこともありません。
ノンドレン式の特徴の通り、手間が少なく便利に使えます。
暑い夏、いや、もう「熱い」と言っていいかもしれない夏。
スポットクーラーなどの冷房機器を使って、少しでも快適に、涼しく、安全に過ごしてください。

\部屋中を冷やしたいならコレ一択!/
\部分的に冷やしたいならコレ/
\床を占領しないクーラーならこれ/