スポットクーラーとは、狭い範囲(スポット)を冷やすことが得意な冷房機器。
「スポットエアコン」「ポータブルクーラー」と呼ばれることもあります。

スポットクーラーって「クーラー」なの?
冷風扇とかと同じ種類?
実は、スポットクーラーは壁掛けエアコンと同じ仕組みで冷やします。
でも、冷やせる範囲や、使い方は壁掛けエアコンとは全く違います。
形が似ている「冷風扇」とは、全く違うものです。
その違いを知らずに買うと「思っていたのと違う!」となってしまうかも?
この記事では、スポットクーラーの仕組み、エアコンとの違い、おすすめの使い方まで、詳しく解説します。
💡 スポットクーラーは、壁掛けエアコンと同じ仕組み
💡 スポットクーラーは、冷風扇とは全く違うもの
まずは目次をチェックしてみてくださいね。
\気になる項目を目次でチェック/
スポットクーラーとは?
スポットクーラーとは、狭い範囲(スポット)を冷やすことが得意な冷房機器。
その特徴から、「スポットエアコン」「ポータブルクーラー」と呼ばれることもあります。
画像はどちらも、スポットクーラーです。(楽天市場へのリンク)
壁掛けエアコンが使えない環境でも設置できるので、注目されている冷房機器です。
壁掛けエアコンと大きく違うのは、室外機があるかどうかと使い方です。
【スポットクーラーの仕組み】室外機が室内に?
スポットクーラーは、空気を吸い込み、冷却してから排出します。
エアコンと同じ仕組みで、本体にはコンプレッサー(空気を圧縮して冷やす装置)が搭載され、冷たい空気を作ります。
(画像は楽天市場へのリンク)
壁掛けエアコンは、室内機で空気を冷やし、室外機で熱を外に出します。
でも、スポットクーラーは本体内部でエアコンの室内機・室外機の両方の仕事をします。
エアコンの室外機が部屋にあるのと同じ状態。
「スポットクーラーは音がうるさい」
というレビューがあるのは、そのためです。
【排熱ダクト】スポットクーラーの必須アイテム
スポットクーラーには、「排熱ダクト」が必要です。
スポットクーラーは、本体で空気を冷やしますが、その時に熱も発生します。
排熱ダクトとは、その熱を外に排出するもの。
この熱を外に逃さないと、部屋の温度が上げってしまいます。
だから本体に排熱ダクトをつなげて、しっかり外に排出するのがポイント。

❌ 排熱ダクトがないとどうなる?
たまに、「排熱ダクトのない」スポットクーラーがあります。
排熱ダクトがないと、冷やすと同時に発生した熱が部屋の中にこもります。
そのため、冷房効果が大幅に低下してしまいます。
実験している動画を紹介。すごくわかりやすいです!
(排熱ダクトなしで稼働させた様子は、6:00くらいから)
動画:「ともさん」チャンネル(YouTube)

2025年に、新しい「排熱ダクトが必要ない」スポットクーラーが発売されました。
その機種については、こちらで説明しています。

💡 排熱ダクトを断熱して、冷房効率をアップ
現在、家庭用スポットクーラーを効率よく使うには、排熱ダクトが必須。
ただ、この排熱ダクト自体が熱をもつことがあります。
放置すると、熱くなった排熱ダクトが室内の空気を暖めてしまい、冷房効果がダウン!
それを防ぐためには、対策が必要です。
余計な熱を部屋に広げず、効率よく冷やせます。
💡 排熱ダクトの熱対策
🧊 排熱ダクトを断熱材などで包む
🧊 排熱ダクトの周りをカーテンなどで仕切る
あなたの部屋に合う工夫をすれば、冷房効果の低下を軽減できて、快適なスポットクーラー生活がおくれます。
\排熱ダクトの熱対策アイテムもあり/

【スポットクーラーと冷風扇】仕組みと違い
スポットクーラーと冷風扇。
見た目が似ているので、なんとなく同じものと思われがちです。
でも、この二つは仕組みが全く違います。
簡単に言えば
🧊 スポットクーラー:エアコン
🧊 冷風扇:強化版扇風機
それくらい違います。
スポットクーラー | 冷風扇 | |
冷却方法 | エアコンと同じ「冷媒ガス」を使う | 水や氷を使って気化冷却 |
冷房能力 | 冷たい風が出る (クーラーと同じ) | 扇風機に近い涼しさ (気温は下がらない) |
排熱 | 熱を排出する必要がある (ダクト必須) | 排熱なし |
電気代 | やや高め | 安め |
適した用途 | エアコンの代替 ピンポイント冷房 | 扇風機より涼しい風が欲しいとき |
冷風扇は、水や氷を使うので、湿度が上がることがあります。
🔹 しっかり冷やしたいなら、スポットクーラー。
🔹 電気代を抑えて、少し涼しくしたいなら、冷風扇。
目的に合わせて選ぶのが、失敗しないコツです。
スポットクーラーと壁掛けエアコンの3つの違い
スポットクーラーと壁掛けエアコン。
どちらも冷房機器で、冷やす仕組みは同じ。
ですが、用途や機能には大きな違いがあります。
(画像は楽天市場のリンク)
それぞれの違いを、3つのポイントに分けて説明します。
🧊 冷やす範囲と使い方の違い
🧊 設置方法の違い
🧊 コストの違い
それぞれ得意なところ、向いている場面があります。
ちなみに「エアコン」は「エアーコンディショナー」の略。
冷暖房や除湿など、空気全体を調整する機械のこと。
一方「クーラー」は冷房専用を指す場合が多く、スポットクーラーもこちらの仲間。
例え除湿機能があっても、暖房がなければ「クーラー」の仲間になります。
冷やす範囲と使い方の違い
それぞれ得意な場面が違います。
・スポットクーラー: 部分的に冷やす
・壁掛けエアコン: 部屋全体を冷やす
このような用途で設計されています。
🔹 スポットエアコン
冷風で部分的に冷やすのが得意。
冷気を直接体に当てて、体感温度を下げることができます。
サーキュレーターなどを使えば、周りに冷気を循環させることも可能。
でも、部屋全体を満遍なく涼しくするのは難しいです。
🔹 壁掛けエアコン
室内の温度を一定に保って、部屋全体を冷やすことができます。
部屋を設定した温度で快適に過ごしたい場合に向いています。
🧊 スポットクーラー:冷風を当てることで体感温度を下げる
🧊 エアコン:部屋全体の温度を下げる

設置方法の違い
🔹 スポットクーラーは、設置工事の必要がありません。
排熱ダクトを外に出すための「窓パネル」の取り付けは必要ですが、説明書を見ながら自分でつけることができます。
🔹 壁掛けエアコンは、基本的に設置工事が必要。
室内機を壁に設置したり、室外機と接続したりするための工事です。
その際に必要な「穴」がない場合は、穴をあける工事や、
専用電源や配線のための工事が必要なこともあります。
🧊 スポットクーラー:工事不要で、好きな場所に設置可能
🧊 エアコン:設置工事が必要で、設置後の移動は困難
コストの違い
スポットクーラーと壁掛けエアコンでは、購入時に必要な費用や電気代にも違いがあります。
スポットクーラーは、対応する部屋にもよりますが2万円〜7万円ほどで購入可能。
壁掛けエアコンは、工事費も必要なため6万円〜30万円以上かかることも。
寒冷地仕様だと、室外機のガードが必要になることもあります。
(落雪やつらら対策)
電気代の面では、壁掛けエアコンの方が費用が抑えられます。
長時間使用する場合は、壁掛けエアコンの方が経済的です。
🧊 スポットクーラー:初期費用は安いが、電気代が高くなりやすい
🧊 エアコン:初期費用は高いが、長期的にはコストを抑えやすい
スポットクーラーのメリット・デメリット
特徴を理解して使えば、すごく便利なスポットクーラー。
でも、不便に感じるところもあります。
そんなメリットとデメリットを紹介します。
🔸 メリット1:設置工事不要で手軽
🔸 メリット2:移動して使える
🔹 デメリット1:冷却範囲が限られる
🔹 デメリット2: 排熱の対策が必要
🔸 メリット1:設置工事不要で手軽
スポットクーラーの最大のメリットは、設置工事が必要ないこと。
購入して家に届いたら、すぐに使えます。
(窓用パネルの取り付けは必要)
壁掛けエアコンのように、壁に穴をあけたり、業者に依頼する必要がありません。
そのため、便利に使える場面は多いです。
・賃貸住宅で壁掛けエアコンが設置できない
・期間限定で冷房が必要(イベントや仮設事務所など)
・いますぐ冷房が必要だけど、工事が待てない
「数ヶ月後に引越し予定だけど冷房が欲しい」という時もスポットクーラーがおすすめです。
🔸 メリット2:移動して使える
スポットクーラーは、キャスター付きが多いです。
壁に固定されていないので、使いたい場所に移動させることができます。
使う場所ごとに窓用パネルは必要ですが、冷房器具を複数個買う必要がないので、コストも低く抑えられます。
例えばこんな場面で便利。
・昼間はリビング、夜は寝室で使う
・作業場やガレージで使用した後、倉庫にしまう
・夏のキャンプや屋外イベントで活用する
普段は居間で使い、作業部屋にいる時だけそちらに移動させる。
という使い方も便利。
\冷たい風を持ち運べるスポットクーラー/

🔹 デメリット1:冷却範囲が限られる
スポットクーラーは、部屋全体を冷やすのは苦手です。
冷風の当たるところは涼しくできますが、部屋隅々まで冷やしたい時は不向きです。
サーキュレーターなどと併用すれば、それなりの範囲を冷やすことは可能。
それでも、部屋全体隅々まで涼しい!とはなりません。
そのため、こういう使い方👇をしたいときは壁掛けエアコンが向いています。
・部屋全体を均一に冷やしたい
・部屋の中の家族の居場所がバラバラ
・長時間快適な室温を維持したい
🔹 デメリット2: 排熱の対策が必要
スポットクーラーは、本体内部で空気を冷やす時に熱が発生します。
その熱を排熱ダクトで外に出さないと、室温が上がってしまいます。
その排熱ダクトも熱を持つため、ダクト自体を断熱材で包むなど対策がおすすめ。
その対策が、手間に感じることがあるかもしれません。
📝 排熱対策をしないと起こること
・部屋の温度が下がりにくくなる
・部屋の温度が高くなる場合がある
・ドレン水がたまる可能性がある
メリットとデメリットについて、こちらの記事で詳しく解説しています。

スポットクーラーは、どんな人に向いている?
部分的に冷やすのが得意なスポットクーラー。
こんな使い方をしたい人にぴったりです。
そして逆に、こういう使い方の人には向いていません。
スポットクーラーが向いている | スポットクーラーは向いていない |
・エアコンが設置できない部屋に住んでいる ・一時的に使いたい ・初期費用を抑えたい(設置工事費など) ・使いたい場所が「狭い」ところ ・部分的に冷やせればOK ・移動させて別の部屋でも使いたい ・アウトドアでも使いたい ・ペットの熱中症対策をしたい ・届いたその日に使いたい! | ・部屋全体を冷やしたい ・音が大きいのが無理 ・排熱ダクトを外に出せない環境 ・床に置くタイプは苦手 ・電気代を抑えたい |
「こんな人に向いている」詳しい内容は、こちらの記事で解説しています。

スポットクーラーのおすすめな使い方
スポットクーラーは、部分的に冷やすのが得意な冷房機器。
ですが、部屋全体を均一に冷やすのは苦手です。
その特徴を活かして、ちょっとした工夫をすれば、より快適に使えます。
🧊 部分的に冷やすのが得意 👉 冷えるところに自分が行く
🧊 広い範囲を冷やすのが苦手 👉 サーキュレーターを併用
冷風のあたるところで過ごす
スポットクーラーは、壁掛けエアコンのように部屋全体を冷やすのは難しいです。
でも、しっかりと気持ちのいい冷風を送ることができます。
そのため、自分が冷風の届く場所に移動すれば、効率よく涼しさを感じられます。
🧊 ソファでくつろぐ 👉 そこに冷風が当たる配置に
🧊 パソコンデスクで作業 👉 デスクに向かって風向きを調整
スポットクーラーは「空間を冷やす」のではなく、「冷風を浴びる」ことで効果を最大限発揮します。
サーキュレーターと一緒に使う
スポットクーラーは、冷風が届く範囲が限られています。
でも、サーキュレーターと組み合わせると、広い範囲を冷やすことができます。
🌀 サーキュレーターと併用すると
🧊 冷風を送る 👉 涼しい範囲を広げる
🧊 部屋の空気を循環させる 👉 体感温度を下げる
スポットクーラー単体では届かなかった場所に、風の流れを作ることで、涼しさを感じやすくなります。
ただし、壁掛けエアコンのように部屋全体の気温を下げるのは難しいです。
自分の行動範囲を快適にするための冷房として活用するのがポイントです。

実際に自宅で使ってみた感想はこちら。

【スポットクーラーとは】使い方次第で超便利な冷房機器
スポットクーラーは、名前の通り「部分的(スポット)」に冷やすのに便利な冷房機器です。
🧊 部屋の一部を冷やしたい
🧊 冷風を体に浴びて涼みたい。
そういう使い方なら、満足できるアイテムです。
でも、部屋全体を冷やそうとしたり、冷房能力以上の広さで使うと
思ったよりも冷えない…。
とガッカリすることも。
スポットクーラーは、届いたその日からすぐ使える手軽さも魅力のひとつ。
「エアコンを設置できないけど、少しでも涼しくしたい!」
という人におすすめです。
冷房器具には、スポットクーラーの他に、壁掛けエアコン・窓用エアコン・冷風線など、様々な選択肢があります。
それぞれ特徴を知って、自分の使い方に合った冷房機器を選んで、暑い夏も快適に過ごしてください!
\部屋中を冷やしたいならコレ一択!/
\部分的に冷やしたいならコレ/
\床を占領しないクーラーならこれ/